指導者の立場でも、親の立場でも同じように毎日色々と考えます。
大切なことは何か、もう一度考えましょう。
■ 親のための10ヵ条
- 子どもたちが自ら望んだときに試合やトレーニングに参加させてあげましょう。
- 試合中はすべてのプレーヤーに励ましの言葉を送りましょう。あなたの息子さんや娘さんにだけではなく。
- 成功にも失敗も同じように声援を送りましょう。批判ではなく、ポジティブな声をかけてあげてください。
- コーチの選手起用を尊重しましょう。試合中に選手起用について影響を与えようとするのはやめましょう。
- レフェリーの判定を批判するのはやめましょう。
- プレッシャーを与えることなくプレーに参加させてあげましょう。
- 試合の後は結果の話だけでなく、覚えているプレー、楽しかったシーンなどについても話し合いましょう。
- 節度を守り、分別のある行動をとりましょう。何事も度を越してはいけません。
- 所属クラブの運営には尊敬の念を持って接しましょう。保護者と指導者間のミーティングでは、明確な指針を持ち、どのような態度で子どもに接するのかを話し合いましょう。
- サッカーをプレーしているのは子どもたちです。決してあなた自身ではありません!
*デンマークサッカー協会ホームページから引用
デンマークサッカー協会 少年指導10ヵ条
1.子どもたちはあなたのモノではない。
2.子どもたちはサッカーに夢中だ。
3.子どもたちはあなたとともにサッカー人生を歩んでいる。
4.子どもたちから求められることはあってもあなたから求めてはいけない。
5.あなたの欲望を子どもたちを介して満たしてはならない。
6.アドバイスはしてもあなたの考えを押し付けてはいけない。
7.子どもの体を守ること。しかし子どもたちの魂まで踏み込んではいけない。
8.コーチは子どもの心になること。しかし子どもたちに大人のサッカーをさせてはいけない。
9.コーチが子どもたちのサッカー人生をサポートすることは大切だ。しかし、自分で考えさせることが必要だ。
10.コーチは子どもを教え導くことはできる。しかし、勝つことが大切か否かを決めるのは子どもたち自身だ。
*デンマークサッカー協会ホームページから引用
■スイスサッカー協会のキッズサッカー用の掲示ポスター
おとなのみなさんへ「ぼくたちのゲームを観に来てくれて、そしてぼくたちのこと、ぼくらのサッカーのことを気にかけてくれてどうもありがとう」今日はぼくたちの1日「ぼくたちは、サッカーをするのが楽しくて大好きなんだ。もちろん、ぼくらのうちのだれが勝っても楽しいんだ。でもぼくらにとって一番大事なのはプレーすることなんだよ」だから、プレーをさせておいてください「大声でさわがないでね。相手のチームや応援に対してもフェアな態度をとってね。ミスをしたからって、いちいち言わないで。そんなことを言われたらがっかりだし、言われたからってそう簡単にうまくできるようにはならないんだ」すべてのこどもより
*スイスサッカー協会ホームページから引用
これはスイスサッカー協会のキッズサッカー用の掲示ポスターにあるメッセージです。
子どもたちから「大声でさわがないでね」と、いうお願いです。
試合中に大声で騒いでいる大人たちの様子、子どもたちは無視しているようでいて、しっかり聞いていて、それを気にしたり、傷ついたりしているのです。
試合中に大声で騒いでいる大人たちの様子、子どもたちは無視しているようでいて、しっかり聞いていて、それを気にしたり、傷ついたりしているのです。
パパへの手紙
もうひとつスイスサッカー協会から。子ども向けサッカー絵本の前文、パパへの手紙もご紹介しましょう。
Fユース(U-9)の子どもからパパへの手紙パパ、パパがこないだピッチの外に置いてあったゴールによじ登ってレフェリーに文句を言ったでしょ。あの時、僕はすごく頭にきて泣きそうになったんだ。あんな怒り方、今まで見たことなかったよ。たぶん、レフェリーが間違ったんだとは思う。でも、僕がたとえパパの言うように「レフェリーのせいで」試合に負けたんだとしても、そんなことはどうでもよくて、僕はとっても楽しかったんだ。わかってほしいんだ、パパ。僕はプレーしたい、それだけなんだよ。僕は楽しみたいんだ。だから、僕がプレーをしているときには、「パスしろ!」とか「シュートだ!」とか、叫び続けるのはやめて。パパの言うことはあっているのかもしれないけど、僕が緊張してしまうんだ。パパ、もう一つあるんだ。試合中にコーチが僕のことを交代させても、怒らないで。僕は、ベンチにすわってみんながプレーしているのを見るのだって楽しいんだよ。僕らは大勢いるし、みんながプレーしなきゃだめでしょ。それから、僕にサッカーシューズをきれいにするやりかたを教えてくれる? 僕のなんだからパパがやってくれなくていいんだ。僕が自分でできるようにならなきゃいけないんだよ。それからスポーツバッグは僕が自分で持ちたいんだ。バッグにはチームの名前が書いてあるから、僕がサッカー選手だってまわりのみんながわかるだろ? 僕、それが好きなんだ。パパ、お願い。試合の後にママに「今日は勝った」とか「負けた」とかって話すのはやめて。ママには僕がとっても楽しんでいたって伝えてほしいんだ。それから、僕がすごいシュートを決めたから勝った、って言うのもやめてね。だって、そうじゃないんだもの。僕がシュートを決めたのは、仲間が僕に良いパスをくれたからなんだよ。勝ったのは、僕らのチームのゴールキーパーが必死に相手のシュートを防いでくれて、チームの仲間が全員でせいいっぱいがんばったからなんだ。(コーチが僕らにそう教えてくれるんだ)怒らないでね、パパ。こんなことを書いてしまったけど。僕、パパが大好きなんだ。練習に遅れてしまうので、これでおしまいにするね。練習に遅刻すると、今度の試合にはじめから出してもらえないんだよ。じゃあね。
*スイスサッカー協会ホームページから引用
日本サッカー協会が発行している「プレイヤーズファースト」という冊子にも載っています。こちらからダウンロードも可能ですので、ぜひ読んでみてください。
子供たちの成長を望むのであれば、保護者、指導者すべての大人が意識しないといけません。
「こんなことわかってる」と、言ってる人のほとんどは、聞いたことはあるけど実際やっていない人がほとんどです。
「知っている」と、「やっている」、は違います。
忘れかけたとき、子供のことで悩んだときにはこの10ヶ条を思い出して振り返ってみてください。
何かヒントがあるかもしれません。
金坂 博